帰命十方三世諸仏のみ前に謹んで惟るに。
邦の東西を問はず
時代の遠近を論ぜず。
人として此の世に生れ生で
学びの奥を尽すとも。
有為転変の人の世に苦悩なくして
暮す事を得ず。
一たび天を仰げば日月星辰燦として
空に輝き。
眇たる人生の意義の何たるやに
迷はざるを得ず。
されば明暮れ五欲に沈溺して喧々轟々の
争をなし。遂には見るに志のびざる悲惨の
絵巻をくり返しつつあるは歴史のものがたる所なり。
されどもここに聖者あり。我等天地大御親の定め給ひし
大法則を教え給ひ。あわれむべき苦界をして
大安楽の世界と転ぜしめ給う。
ここに六道輪廻の夢醒めてさしも無常を感ぜし
人生もそのまま光明の世界と変るなり。
かかる尊き教へあるを知らずして徒に日を
過しなば広大無辺の鴻恩に対し
奉り此の上もなき不幸の罪となりぬべし。
人はもともとこの慈悲深きみ親のふところに抱かれて
生ひ立ちたるも。迷の闇に眼も見えず
知らず知らずの内に苦界の渕に
沈みたる三世の因果を明らかに悔悟し。
無始の本源に還れば宗祖の愛児なる
事を思い出さるべし。
茲に至りて五大所生還の身にも三密瑜伽の
恵に浴し。始めてみ親の譲り
給ひし如意の宝珠の光を拝し
父母所生の身を以って即身成仏も叶うなり。
此の聖者のみ跡を慕ふ人によりてこそ
密厳浄土の建設もなし得るなれ。
ここに於てみ親を安んじ奉ると同時に
子子孫孫に至るまで世界平和に安住せしむる
道も開き得る事疑ひなし。
それがし共は以上の理趣を体得し
楽土建設に精進するものなり。願はくば御加護
あらせ給はむ事を。